市販チューブなどで球速アップの事例も…肩関節を“安定させる”トレーニング
「Ballistic Six」を実際にやってみる
「Ballistic Six」で使用するのは市販のゴムチューブとメディシンボール。10週間かけて徐々に負荷を上げていくことが推奨されています。
メディシンボールの重量は、最初は片手で行う運動では1キロ、両手で行う運動では3キロと設定。10回3セットを行います。次は、片手で行う運動では1.5キロ、両手で行う運動では4キロと設定し、15回3セット。そして最後は、片手で行う運動で1.5キロ、両手で行う運動で5キロと設定し、20回3セットを行います。
運動の間に挟む休憩は30秒間。ゴムチューブの運動は、引っ張っても動いたり壊れたりしない物に引っかけて行うか、誰かに持ってもらって行います。メディシンボールを壁に当てる運動は硬い壁で行いましょう。
(1)エラスティックエクスターナルローテーション
1、ゴムチューブを使用します
2、投球側の反対の手を投球側の脇に挟み、ゴムチューブを内側から外側に動かします
3、肘から先だけを動かすように意識しましょう
(2)エラスティック90/90エクスターナルローテーション
1、ゴムチューブを使用します
2、ゴムチューブを持ち、肘を90度曲げた状態で顔の横に手をもってきます
3、その状態から肘を基点に手を90度おなかの方に動かします
4、頭より後ろに来るように背中のほうに手を動かします
5、肘から先だけを動かすように意識しましょう
(3)オーバーヘッドサッカースロー
1、メディシンボールを使用します
2、メディシンボールを両手で持ち、頭の斜め上前に持ってきます
3、肘を曲げながら頭の後ろに持ってきます
4、肘を伸ばしながらボールを離し、前の壁にボールをぶつけます
(4)90/90エクスターナルローテーションサイドスロー
1、メディシンボールを使用します
2、メディシンボールを片手で持ち肘を90度に曲げ、上腕が地面と平行になるように肘を90度上げます。その後、手を90度内側に動かし、外側に動かした時に徐々に肘を伸ばしていき、ボールを離し壁にぶつけます
(5)ディセレーションベースボールスロー
1、メディシンボールを使用します
2、投球側の膝を着き、反対は足を着きます
3、この姿勢の状態で後ろからメディシンボールを投げてもらい頭の後ろでボールを受け取ります
4、肘は動かさず手をおなかの方に動かし、その後背中の方にひねりながらボールを離します
(6)ベースボールスロー
1、メディシンボールを使用します
2、投球側の膝を着き、反対は足を着きます
3、この姿勢の状態で後ろからメディシンボールを投げてもらい、肘を90度曲げ、投球側の頭の横で受け取ります
4、肘を動かないように手を背中の方に動かし、そこから前に戻しながらボールを離します
▼参考文献
※1 Ryan Pretz. “Ballistic Six” Plyometric Training for the Overhead Throwing Athlete. Strength and Conditioning Journal.2004 Dec;22(6);62-66.
※2. Carter AB, Kaminski TW,et.al. Effects of high volume upper extremity plyometric training on throwing velocity and functional strength ratios of the shoulder rotators in collegiate baseball players. J Strength Cond Res. 2007 Feb;21(1):208-15.
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(Full-Count編集部)
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