100人いれば“正解”は100通り 少年野球の子どもを教える元楽天ドラ1の指導論
情報があふれている時代…必要なのは「自分で選ぶ、判断する力」
小学生が自分にベストな投げ方や練習法を選ぶのは難しいかもしれない。選択は遠回りになる可能性もある。ただ、言われたこと、教わったことをそのまま実践するだけでは、考える力は養われない。少年野球の時から、感覚の違いを意識し、自分に必要な知識や技術を取捨選択する必要性を知ることが、将来に生きる。戸村さんは自身の子どもの頃よりも今は野球の理論や映像など、情報があふれていることから「今の選手には自分で選ぶ、判断する力が必要になります」と強調する。
同じ内容を伝える時でも、使う言葉や声のトーンも子どもたちによって変える。正解は1つではないからだ。年齢や体格だけで判断するのではなく、会話を通じて野球に対する習熟度やモチベーションを見極める。
同じ言葉でも選手の理解度には差があり、性格も違うため、最もふさわしい方法を選択する。悔しさを刺激する言葉が響く選手もいれば、落ち込んでやる気を失わないような声掛けが必要な選手もいる。戸村さんは「言葉選びと伝え方は大切にしています。注意や指摘した後のフォロー、子どもたちが納得する理由付けを意識しています」と話す。
全ての子どもたちに合う絶対的な指導法はない。100人いれば100通り。戸村さんはベストな方法を模索している。
(間淳 / Jun Aida)
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