野球脳の強化と根拠のある指導 “少年野球界のカリスマ”の主体性を伸ばすチーム作り

根拠のある指導=選手の動きを観察、分析して後から根拠をつける

 辻監督は小学3年生までに、野球に必要な知識や考え方を座学で教える。得点を奪うための打撃や走塁、進塁を防ぐ守備など、具体的な場面を例に挙げて説明している。4年生からは実戦練習を通じて、座学で得た知識を体現していく。5、6年生になると、辻監督が選手に指示を出すことはほとんどない。基本的な考え方が身に付いている選手たちは自主的に練習し、自分たちで課題を解決していくのだ。

 選手を動かす上で辻監督がもう1つのポイントに挙げたのは「根拠のある指導」。小学生は指導者の命令でも行動を起こすが、指導に納得して自主的に動かなければ選手の成長は鈍くなる。指導の根拠となるのは経験。辻監督は「指導する中で子どもたちが上手い捕り方、打ち方をした時、他の子どもと何が違うかを見つけます。そこに、後から根拠をつけるんです」と説明する。

 いいプレーには必ず理由があるが、選手たちは深く考えず自然に体を動かしているケースが多い。指導者が理由や根拠を分析すれば、指導法として確立できる。辻監督は「投げ方や捕り方は子どもたちから学んだことが多いです。子どもたちの足の運び方や体の使い方に注目すると良いと思います」とアドバイスを送った。

 保護者や指導者から辻監督への質問や悩み相談は、まだまだある。次回は10月31日にオンラインイベントが開催される予定となっている。

(Full-Count編集部)

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