“相手に拍手”の意外な効用? 全国常連の少年野球チームは「世界一楽しく」で選手増

「TURNING POINT」のオンラインイベントで講師を務めた「多賀少年野球クラブ」の辻正人監督(右)
「TURNING POINT」のオンラインイベントで講師を務めた「多賀少年野球クラブ」の辻正人監督(右)

自己満足に注意 指導者の成績表は保護者の評価

 辻監督が指導者への注意事項に挙げたのは「自己満足にならないこと」。必死になってノックをしたり走り回ったりして疲れた自分を評価するのは、選手や保護者のためになっていないと指摘する。

「今の練習で子どもや保護者が満足しているのか、相づちを打って話を聞いているのかを確認します。保護者の顔色を見る必要があります。保護者の評価が指導者に対する成績表で、怠ってしまうと“裸の王様”になります」

 普段から楽しんで野球をしていると、チームの良い評判が自然と広がり、入部希望者も増えていく。多賀少年野球クラブの選手たちは試合で、対戦相手の選手がいいプレーをすると拍手で称える。相手選手の名前を覚えて、試合後に声をかける時もある。

 その姿を見た審判が職場で小学生の子どもを持つ保護者に話をしたことがきっかけで、チームに入ったケースもあるという。辻監督は「野球を思い切りやりすぎて、チームによっては相手を褒めなくなる指導を受けている子どもたちがいます。試合中に相手を褒めたら勢いに乗せるかもしれませんが、純粋にいいプレーを称えるようになったらと思います」と話した。

 メンバーを増やすために特効薬はない。普段の姿勢やチーム方針に魅力があれば、口コミが広がっていく。多くの保護者や指導者が集まった辻監督のオンラインイベントは、10月31日にも予定されている。

(Full-Count編集部)

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