1年半で球速40キロもアップ “非エリート”の中学硬式チームが豹変したワケ

1年半の期間でチームは急成長【写真提供:茅ヶ崎ブラックキャップス】
1年半の期間でチームは急成長【写真提供:茅ヶ崎ブラックキャップス】

合同練習や日々の会話 “非エリート”の意欲や向上心を高める工夫

 普段の練習で選手の動きを見て異変を察知し、怪我につながる黄色信号に気付けるのも、プロのトレーナーが指導するチームならでは長所となっている。ただ、どんなに知識のある指導者が集まっても、選手に響かなければ意味がない。“非エリート”の選手たちの意欲や向上心を高める工夫が不可欠となる。

 茅ヶ崎ブラックキャップスは夏休み期間、他県の強豪チームと合同練習をする。あいさつから始まり、声の出し方や野球に取り組む姿勢、技術や戦術を学ぶ。竹下さんは「普段から野球と厳しく向き合っている同世代の選手と練習することで、自分たちに何が足りないのかを知ってもらう目的があります」と語る。

 チームスタッフが選手ひとりひとりと積極的に会話するのも、モチベーションを上げる方法の1つ。具体的に成長した部分を指摘し、よりパフォーマンスを高めるためのアドバイスを送る。普段スタメンで出場している選手を控えにした時は、その理由を指導者が丁寧に説明する。竹下さんは選手に考えさせる習慣が大切と説く。

「野球を楽しんでもらうのは大前提ですが、試合に勝たないと味わえない楽しみもあります。試合で負ける時は、相手との差があるわけです。その差がどこにあるのかを考えて行動する以外に、差を埋める術はありません。選手に考えさせながら、指導者も常に考えます。これは野球に限らず、勉強でもビジネスでも必要な要素です」

 技術や知識を詰め込む指導にならないよう心掛けているのは、チーム方針の根底に人間力の育成があるからだ。「野球でトップ選手になるのは、ほんの一握りです。野球やチームの活動を通じて、社会に出た時に生きる引き出しを増やしてほしいと思っています」と強調する。

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