話を聞かない選手を決して怒らぬワケ 異色の指導者が米国で学んだ“本当の自由”

米国の独立リーグ3年目に衝撃の出来事 自由の怖さを痛感

 手取り足取り教えることが選手のためにならないと気付いたのは、大学卒業後にプレーした米国・独立リーグでの苦い経験がある。朝から夕方までチーム全体で練習する日本と違い、米国の練習は正午までの3時間。渡米から2年間は午後の時間を自由に使った。時々体を動かしたが、大半は部屋でくつろぐなど文字通り自由に過ごしていた。

 しかし、3年目に自由の怖さを痛感する出来事があった。この年、同じ部屋で暮らすことになったチームメートから「あすの朝はジムに行く?」と聞かれた。告げられた時間は朝の5時半。長坂さんは「トレーニングが好きな選手なんだな」とびっくりしたが、車に乗せてもらいジムに着くと驚がくの光景を目にした。チームメートのほとんどがトレーニングしていたのだ。

「周りの選手が朝からトレーニングをしていると初めて知りました。車を持っていなかったですし、1、2年目は英語もあまり話せなかったので、状況を把握できていませんでした」

 さらに、チームメートが全体練習後にもジムに通ったり、課題を克服するために個人練習をしたりしていると知った。自由な時間の使い方が自分とは全く違ったのだ。その後は、車を持っている選手に声をかけて、ジムに行くようにしたという。

米国では練習中に指導者から怒られない 求められるのは結果だけ

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