「辞めやすい雰囲気をつくる」 少年野球のカリスマ指導者が移籍を“歓迎”するワケ

多賀少年野球クラブ・辻正人監督【写真:編集部】
多賀少年野球クラブ・辻正人監督【写真:編集部】

多賀少年野球クラブ・辻正人監督は選手の移籍に賛同する

 少年野球の“カリスマ指導者”と呼ばれる滋賀・多賀少年野球クラブの辻正人監督が、全4回にわたって読者の質問に答える連載。第3回は「選手の移籍」について回答する。辻監督が講師を務めた先月のオンラインイベントでは、チーム方針が合わずに移籍した選手がいるか質問が寄せられた。多賀少年野球クラブでもチームを離れる選手がいるが、その際は気持ち良く送り出しているという。

 多賀少年野球クラブには現在、園児から小学6年生まで約100人が所属する。競技人口の減少が叫ばれる中、選手は年々増えている。ただ、別のチームに移籍する選手もいる。多くの指導者はチームを離れようとする選手を思いとどまらせようと説得するのに対し、辻監督は家族の決断に即、賛同する。

「まず勘違いしてはいけないのは、子どもたちはチームのものではありません。家族のものです。家族の決断に賛同して、気持ち良く送り出します。ゼロから始めた野球を好きになってくれた子どもたちが、自分に合ったチームを選んで野球を続けるわけですからうれしいことです」

 辻監督は、子どもたちが野球を嫌になって辞めてしまうのであれば、指導者は反省すべき点があると指摘する。だが、移籍はチームを変えるだけで、野球は続けていくことを意味する。辻監督は選手が移籍する際、「大会で会えるのを楽しみにしている」と送り出す。そして、新しいチームの指導者に必ず連絡を入れるという。

「うちにいた選手をよろしくお願いします」移籍先の指導者に連絡

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