木製バットは金属より打てる? 飛ぶバット禁止で投高打低…問われる“野球脳”

木製バットを使うイーグルスジュニアの選手【写真:川村虎大】
木製バットを使うイーグルスジュニアの選手【写真:川村虎大】

ジュニアトーナメントで複合素材の“飛ぶバット”が禁止に

 27日に開幕した「NPB12球団ジュニアトーナメント KONAMI CUP 2022」は昨年とは大きな変化を見せていた。今年からルールが改訂され、ウレタン素材などの複合バットは使用禁止に。昨年は、3日間で計51本塁打が出たが、今年は初日を終えわずかに1本。大会史上初の6回ノーヒットノーランなど、投高打低の傾向がはっきりした。

 昨年の大会では、“アーチ合戦”が目立った。ほとんどの選手が、金属よりも飛距離が伸びると言われているウレタン素材の複合バットを使用。優勝したドラゴンズジュニアは、1大会18本塁打、1試合7本塁打、個人でも見崎賢汰くんが1試合3本塁打、小久保くんが大会5本塁打とほとんどの記録を塗り替えていた。

 今年からルールが変わり、複合バットは禁止になった。横浜スタジアムでの第1試合は、ベイスターズジュニアとイーグルスジュニアが対戦。6回終了時点で、1-1という投手戦になった。7回タイブレークの末、5-2でイーグルスジュニアが勝ち、敗れたベイスターズジュニアはわずか2安打に終わった。

 ベイスターズジュニアを率いる荒波翔監督は少なからず、飛ぶバットへの弊害を感じているようだった。多くの選手はふだん、複合バットを使っており、そのクセが目立つのだ。「(バットを変えて)最初は正直、当てるだけのバッティングになっている子もいましたし、難しかったです。徐々にしっかりスイングするようにと指導しました」。本塁打が増えるのは、子どもにとっても成功体験につながるというメリットもあるが、「将来的には金属や木製を使う。今のうちから慣れていくのはいいことだと思う」と慣れないバットに苦戦しながらもルール改定には理解を示す。

イーグルスジュニア、マリーンズジュニアは木製を導入し勝利

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