「飛ぶバット」禁止で本塁打激減 元プロ監督は危惧も…大事にしたい“成功体験”
ベイスターズジュニアの荒波監督「ヘッドを返さない癖がついている子が多い」
選手たちのほとんどは、普段の練習や自らのチームでは複合バットを使用している。すでにスイングは、“複合バット”仕様。ベイスターズジュニアの荒波翔監督はチーム結成当初、打者のスイングの修正に苦戦したという。
「飛ぶバットだと当たっただけで飛ぶので、ヘッドを返すことがなくても打つことができてしまう。癖がついている子が多いので治すのに苦労しました」。肘を抜いて、バットを当てるだけの選手が多かった。「中学など上の世代では木製使うので将来的には(ルール変更は)いいこと」と賛成だった。
広島・天谷宗一郎監督もルール変更には肯定的だ。飛ぶバットで結果を残すことは選手たちのモチベーションにつながるため「全く否定はしない」。一方で、今大会に選ばれているのは少年野球のトップ選手ばかり。将来を見据えると、「早い段階から木製や金属になれることが大事だと思う」と訴える。
木製バットで本塁打を放ったイーグルスジュニアの本間迅くんも「(複合バットと違って)全然飛ばなくて悩みました」と振り返る。複合バットと打感が似ている木製を使用し、今大会で初めて本塁打を放った。
小学生にとっても“柵越え”は一生の経験になる。飛ぶバットで成功体験を積むことで、自信につながることも。一方で、レベルが高くなるにつれ、付いた“癖”は抜けにくい。早くから木製や金属を使うことが次のステージでの活躍にもつながるのではないだろうか。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)
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