“流し打ち”を意識して陥る悪循環 最多安打の元燕・坂口氏が説く「引っ掛ける」勇気
広角に打ち分ける打撃技術を誇る坂口智隆氏が“流し打ち”を解説
打者が逆方向へ打ち返す“流し打ち”には、バットのヘッドを返さないイメージを持つ人が多い。だが、意識すればするほど悪循環に陥ることもあるという。近鉄、オリックス、ヤクルトでプロ20年間プレーした坂口智隆氏は「非力な打者ほど、ヘッドを返さずに打つと弱い打球になってしまう」と、独自の打撃理論を口にする。
昨年10月3日の引退試合でも、第1打席で鮮やかな流し打ちを見せ、左前打を記録した坂口氏。広角に打ち分ける打撃技術で通算1526安打を放ったが「打席の中で意識していたのは『基本は引っ張り』です。人それぞれ考え方は違うと思いますが、イメージとしてはひっかけないとボールを捕まえることはできない」と、自身の打撃を解説する。
左打者の坂口氏が考える理想の打球は、外角低めの球を二塁ベースと二塁手の間を抜く打球にするというもの。よく言われる基本の「センター返し」に比べると、やや引っ張った打球の角度になる。
「スイングするなかで『引っ掛ける』という言葉にマイナスなイメージを持つ人は多いですが、ボールをとらえる感覚としては間違ってはいない」