“田舎町”の星に 部活動の地域移行…全国のモデルになりそうな中学軟式野球チーム

福知山ユナイテッド代表理事・片野翔大さん【写真:チーム提供】
福知山ユナイテッド代表理事・片野翔大さん【写真:チーム提供】

中学軟式野球クラブ「中丹オールスターズ」が地域の選手の受け皿に

 正式に入部する選手は複数の競技を平行して取り組む方法と、その中で興味を持った競技に絞る方法、どちらも選択できる。軟式野球に特化したい選手が所属するのは「中丹オールスターズ」だ。

 福知山ユナイテッドに先駆けて発足した中丹オールスターズは、水曜日の夜と日曜日の週2回活動している。チームに所属する選手たちが通う中学校はバラバラで、中には部員が足りず、中学ではチームが組めない選手もいる。つまり、中丹オールスターズが軟式野球を続けたい選手の受け皿になっているのだ。

 こうしたクラブチームは、部活動の地域移行の理想とされている。ただ、多くの地域でクリアできずに悩む問題がある。主な課題は指導力のある人材の確保、活動場所、費用の3つ。片野さんは、1つ1つ問題をクリアしていった。

 まずは、人材。福知山ユナイテッドには各競技に専門知識を持つ指導者がいる。現役のトップアスリートや元プロ選手を招く計画も進めている。中丹オールスターズの審研人(あきら・けんと)監督は大学まで野球をしていた。現在は福知山市内にある中学校の教師で、野球部の顧問をしている。中学の部活がない水曜と日曜にボランティアで中丹オールスターズを指導。チームには審監督のほかに、現役の中学教師や取り組みに賛同する地元のボランティアがサポートしている。自身の中学では野球を指導する場がない教師も参加している。

 練習場所は中学校や地元企業のグラウンドを借りている。サッカーやバスケットなど、他の競技は地元企業の協力も受けている。廃校を活用している企業は、体育館やグラウンドを福知山ユナイテッドのために快く貸し出している。

行政とも連携…部活動の地域移行はまちづくりのチャンス

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