ノックよりも効果的な守備上達法とは 米国で学んだ指導者が推奨する“分解練習”

米国の守備練習はアウトを取るプレーの選択肢を増やす

 右投げの選手であれば、一歩前に出した左足の前にグラブを出してゴロを捕球して右手に球を握り替える。そして、後ろにある右足を前に出し、右足を支点にして送球する。ドリルは1つ1つの動きを分解して身に付けていくため、はじめはグラブに球を入れて捕球した状態から握り替えと足の動きを覚える。次のステップは体の正面に緩く転がしてもらったゴロ、というように試合のプレーに近づけていく。

 ランニングスローのドリルでは、足を逆にした動きも必ず練習するよう菊池さんは勧めている。左足を前に出して捕球するドリルの後は、右足を前にしてゴロを捕って左足を踏み込んで送球するドリルへと移る。

 試合では打球によって、左右どちらの足を前に出して捕球した方がアウトを取れる確率が高いか判断する。菊池さんは「米国ではアウトを取るプレーの選択肢を増やす練習をしています。米国の選手がランニングスローが上手いのは、がむしゃらに練習を繰り返しているのではなく、動きを分解してドリルで身に付けているからです」と説明した。

 シートノックは連係の精度を高める上では効果がある。菊池さんは「日々の練習ではノックの前に細かい動きを覚えるドリルを取り入れ、ノックは公式戦の試合開始前に行うくらいの球数で十分です」と話す。個々の技術が向上しなければ、チームの守備力は上がらない。

(First-Pitch編集部)

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