バントや盗塁は制限、振り逃げとボークを撤廃 ポニーが学童野球で独自ルール導入へ

「野球は人間を成長させる最高のツール」

 栄枝さんが目指すのは「僕が愛する野球の競技人口を増やすこと」。そのためには、学童野球のルールをより簡素化し、誰もが楽しめるスポーツとして間口を広げる努力も必要だ。感受性の豊かな小学生の年代で野球と触れ合うことで、多くの学びが得られるとも感じている。

「野球は人間を成長させる最高のツールだと思っています。スポーツ全体を見回した時、ボールを使った団体競技でパスをしないのは野球くらい。選手一人ひとりが自己責任の下でプレーしながら、チームとしての連携を図り、成果を上げる。まさに社会の縮図だと思うんですよね。社会に出た時、自分が負うべき責任は誰にもパスすることはできませんから。スポーツはどれも、子どもたちにとって最高の教材だと思います。僕は、自分が育ったスポーツは野球なので、野球最強説を唱えながら活動していきたいと思います」

 栄枝さんは、4月20日からフィリピンで開催された「2023ポニー アジアパシフィックゾーンチャンピオンシップトーナメント10U(10歳以下)マスタングの部」で監督として日本代表チームを優勝へ導き、ワールドシリーズ出場(7月28日・米ルイジアナ州開催)を決めた。全6戦でサインなし、バントなしの野球を実践。肩肘に負担の掛からない投球数で計10投手がマウンドを繋いだ。

 いよいよ始まった学童野球界での新たな挑戦は、日本、そして世界で変化の風を巻き起こしそうだ。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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