“海外交流”が促す成長「自分のプラスに」 ポニーU16代表が体感する国際大会の価値
海外選手に「積極的にしゃべりかけました」
実際に「国際試合は楽しいです」と、初日の試合後に口を揃えて語ってくれたのは、代表主将を務める蔵並虎之介外野手と松本怜青外野手だ。共に昨年7月に創設された神田Rebaseから参加。蔵並は4番、松本は指名打者を託されるスラッガーだが、プレーだけでなく積極的な声出しでもチームをまとめ上げ、井関監督からの信頼も厚い。そもそも、神田Rebaseは「メジャーリーグで通用する選手を育てる」ことを目標を掲げるだけに、2人も海外選手との交流には興味深々の様子だった。
「(宿泊先の)ホテルでは英語でオーストラリアの選手と話をして、インスタのアカウントも交換しました」と松本。将来のMLBドラ1候補といわれる米国の18歳、マックス・クラーク選手に憧れており、日光対策で目の下に入れる「アイブラック」もクラークを真似して十字型に入れるほどの“海外志向”。「自分は英語が好きなので、トレーニングはどんなことをやっているのかなど、積極的にしゃべりかけました」という。
蔵並もまた、「一塁手とも遊撃手とも、三塁手とも話をしましたと、試合中に塁に出るたびに相手選手と言葉を交わす姿があった。「なんとなくですけど、相手の言いたいことがわかるし、自分の言いたいことも伝わる。勝負という面ではもちろん勝つ意識はありますが、日本人以外にも友達ができるのは楽しいですし、自分にプラスになる」と語る。
近年はコロナ禍でこうした交流機会も失われていたが、試合後に選手たちが笑顔で健闘を称え合う姿を見ると、それだけで大会復活の意義が伝わってくる。日本野球の将来を担う18選手がアジアの頂点を勝ち取り、さらに海を渡ってどのような経験を得てくれるのかも楽しみだ。
(高橋幸司 / Koji Takahashi)
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