非力でも伸ばせる打球の飛距離 大阪桐蔭元主将が伝授…「動から動」を生む“傾き”

「Amazing・ベースボールパートナー名古屋校」塾長を務める水本弦氏【写真:間淳】
「Amazing・ベースボールパートナー名古屋校」塾長を務める水本弦氏【写真:間淳】

大阪桐蔭で春夏連覇…水本弦さんの「最大限の力で打球を遠くに飛ばす」コツ

 打撃の基本は「動から動」……。大阪桐蔭高の元主将で、現在小・中学生を対象にした野球塾で塾長を務める水本弦さんは、バッティングにおいて「0から100の力を出すのは難しい」と説く。バットに最大限の力を伝えて打球を遠くに飛ばすには、“反動を使った打ち方”を勧めている。

 水本さんが塾長を務める名古屋市の「Amazing・ベースボールパートナー名古屋校」には、小学4年から中学3年までの120人が通っている。中には、愛知県外から通う選手もいる。大半が目的にしているのは、打撃力の向上。大阪桐蔭の主将として甲子園春夏連覇を成し遂げ、亜大、東邦ガスとアマチュア野球界のトップレベルを経験した水本さんは、自身の経験や技術を惜しみなく選手たちに伝えている。

 水本さんが小・中学生、特に野球歴の浅い選手への指導で重点を置いているのが「動から動」の意識。体を動かした状態から力を出して、次の動きにつなげることが大事だという。

「筋力が十分ではない小・中学生は0の状態から100の力を出すのは難しいです。体にも負担がかかって怪我のリスクが高くなってしまいます。反動を生かした打ち方をすると、スイングのスピードや強さが上がって打球を遠くに飛ばせるようになります」

 水本さんが「動から動」のポイントとして挙げるのは、バットのヘッドの向きだ。構えた時にヘッドを少しだけ投手の方へ傾けると、振った時に自然にグリップエンドが先に出てヘッドが遅れてくる。この時間差によってバットが加速し、スイングスピードが速くなる。逆に「グリップエンドとヘッドを一緒に動かすと、バットが静止する時間ができてしまいます」と水本さんは説明する。

野球塾では小学4年から中学3年までの120人に指導を行う【写真:本人提供】
野球塾では小学4年から中学3年までの120人に指導を行う【写真:本人提供】

リズムをとる“反動”を使い体重移動をする

 もう1つのポイントは足の使い方。足でリズムを取りながら投球を待ち、踏み込む足で地面を蹴る反動を利用し、軸足に体重を乗せる。この時、先に頭や上半身を軸足側に傾けて体重移動しないように気を付ける。

 水本さんは「野球を始めたばかりの選手に多いのが、両足の裏をベタっと地面に付けた構え方です。動きがない状態で、踏み込む足から軸足へ体重移動をするのは難しいので、常に動きをつくるようにします」と解説した。

 水本さんが重視する「動から動」は走塁や守備でも同じ。1歩目を素早く強く切るためには、足や上半身に動きをつけ、いつでもスタートできる状態をつくっておくことが重要になる。持っている力を最大限にプレーに生かす体の使い方は、筋力がつく高校以降のステージでも生きてくる。

(間淳 / Jun Aida)

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