早い年齢で覚えれば「一生もの」 美しさ大評判…“肘下がらない”投げ方指導術
愛知・守山ボーイズの投球・送球ドリル…「肘が下がる」は改善必須
チームの強さだけではなく、投げ方の美しさも学童野球界で評判になっている。愛知・守山ボーイズは投球・送球フォームの指導に重点を置いている。怪我のリスクを軽減し、持っている力を最大限発揮できるように、選手たちは理想のフォームが自然と身に付くドリルを繰り返している。
守山ボーイズはこれまで全国大会に7度出場し、2011年には日本一まであと一歩に迫る準優勝を果たしている。学童野球を指導して40年以上経つ山本次雄会長は、投げ方の指導を大切にしてきた。
「小学生でできた投げ方は一生ものです。小さい時にしっかりした投げ方を教えるのがチーム方針の基本。チームに入ったと同時に、投げ方の指導をしています」
山本会長は長年の指導歴から「一度覚えた投球フォームは直すのが難しい」と感じている。改善が必要なフォームの1つとして挙げるのが「肘が下がった投げ方」。肘の使い方を覚えるには、5メートルほど離れた距離で向かい合い、腕を真上に伸ばして肘から送球するメニューがある。この時、手首を曲げないように気を付ける。
最初に理想的なフォームを習得しないと修正に苦労する
肘の位置を高くキープする動きを覚えるメニューでは、腕を頭の上で数回、回してから送球する。右投げの選手は右足を少し前に出して体幹を傾けないようにしながら、5メートルほど離れた相手に球を投げる。
山本会長は強く遠くへ球を投げるには、太もも前側の大腿四頭筋などの“大きな筋肉”を使う必要があると指摘する。大きな筋肉は動きを覚えるまでに時間がかかり、一度覚えるとなかなか忘れないという。
つまり、最初に理想的なフォームを身に付ければパフォーマンスアップが期待できるが、クセを直すのは苦労する。山本会長は「指導者から見て不自然なフォームでも、長年同じ投げ方をしてきた選手にとっては自然です。その“自然な動き”を修正しようとしても、元の投げ方に戻ってしまいます」と説明する。
投げ方は一生もの――。守山ボーイズは選手の将来を見据えて指導している。
(間淳 / Jun Aida)
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