大事なことは「野球以外の時間を確保」 子どもを伸ばす“週末4時間”の育成法
岡山の倉敷ジュニアリバティーズ 創部2年目、部員23人
枠組みに合わない子どもや保護者の選択肢となる。岡山の少年野球チーム「倉敷ジュニアリバティーズ」は活動2年目を迎えた。長時間練習や保護者の当番といった少年野球の慣習とは無縁。選手には複数のポジションを経験させ、スローイングやハンドリングの練習を重視。目を守るためサングラス着用ももちろん容認。目先の勝利よりも将来を見据えた指導を徹底している。
40チーム近くの少年野球チームが存在する倉敷市で、倉敷ジュニアリバティーズは異色のチームと言える。練習は土日の午後1時から5時までの4時間。怒声・罵声は強く禁止され、保護者の当番はない。後藤尚毅GM兼監督は少年野球の現状に疑問を感じ、昨年チームを立ち上げた。現在、小学1年生から6年生まで23人のメンバーが所属している。
「子どもたちはエラーをしたり、ほとんど経験のない守備位置で試合に出てカバーリングを忘れたりすると指導者に怒鳴られます。果たして、子どもたちは野球を楽しめるのだろうかと感じていました」
土日祝日は朝から夕方まで丸一日練習し、保護者は子どもたちに付き切り。大会で勝利するために走塁やサインプレーなど戦術を徹底的に鍛える。後藤監督は既存のやり方を否定しない。ただ、今の枠組みに合わない子どもや保護者の受け皿が必要だと指摘する。
「倉敷の野球界を変えようという気は全くありません。今の枠組みで合っている人は、そのまま続けてほしいと思っています。しかし、その枠組みが苦しかったり、メリットを感じなかったりする子どもや保護者の選択肢に、うちのチームがならないといけないと考えています」