打球直撃した指導者が「やられた〜」 子どもの“気持ちを乗せる”米国式の距離感
米国で少年野球チームの監督を務める新谷信明氏、アカデミーも開講
指導者はエンターテイナーであれ――。米国で少年野球チームの監督を務め、アカデミーも開講している新谷信明さんは、選手を楽しませる指導を最も大切にしている。野球スキルコーチの菊池拓斗さんが米国で指導技術を学んだ師匠で、約30年もの間、米国で培ったその手法は日本の野球少年・少女の育成にも活用できる内容が多い。
大学まで日本で野球をしていた新谷さんは24歳の時に米国へ渡り、幼稚園の先生をしていた。野球経験があったことから、地元にある少年野球チームの監督を依頼された。子どもたちがより楽しく、より上手くなるための方法を文献や他の指導者から学び、15年前から個別と少人数制のアカデミーも始めた。
取材時は日本に一時帰国していたが、新谷さんのもとには、指導方法を学ぼうと日本からも多くの野球関係者が米国に訪れる。その一人が現在、野球教室やYouTubeなどで「バット抱えスイング」や「前の手ヒッティング」といった技術を伝えている菊池さん。2018年3月から半年以上、米国で新谷さんの指導論を学んだ。
新谷さんが子どもたちへの指導で最も大切にしているのは「エンターテイナーになること」。練習中は選手以上に声を出しているという。
「子どもたちが飽きずに練習したり、自主的に動いたりするには、野球を楽しむことが何よりも大事だと感じています。大きな声で盛り上げて、上手くいったところを褒めるのが基本になっています」