全国制覇の中学野球部で大きな効果 “横の動き”に違いが生まれる「みぞおちトレ」

トレーニングコーチ・塩多雅矢さん【写真:伊藤賢汰】
トレーニングコーチ・塩多雅矢さん【写真:伊藤賢汰】

今夏日本一の東京・上一色中などを指導する塩多雅矢氏

 体の連動と誘導。似ているようで、パフォーマンスへの影響は大きく異なる。今年日本一を果たした東京・上一色中の野球部などを指導するトレーニングコーチ、塩多雅矢さんは首や股関節など体の各部位をそれぞれ思い通りに動かせるようになると、野球が一気に上手くなると話す。小、中学生に勧めるトレーニングの1つに、みぞおちを動かすメニューがある。

 トレーニングコーチの塩多さんは、首都圏を中心に中学と高校合わせて20チームほどで野球指導をしている。その中には、今夏の全日本少年軟式野球大会で優勝した上一色中もある。上一色中では主に投手陣を指導し、西尾弘幸監督からは「投手コーチの力が大きい」と信頼を寄せられている。

 塩多さんが重視するのは、体の部位を自由に動かせるようにするトレーニング。野球で高いパフォーマンスを発揮するには、体の連動性が求められる。ただ、複数の部位を連動させるには、それぞれの部位を思い通りに動かす必要がある。塩多さんは「連動と誘導は似ているようで全く違います」と指摘する。

「誘導は動かしたくないのに動いてしまう状態です。体のパーツごとに自分の意思で動かせるようになることが大切です」

 塩多さんは投球フォームを例に挙げて、連動と誘導の違いを説明する。速い球、強い球を投げるには、下半身で溜めた力を上半身に伝える必要がある。この時、先に骨盤や股関節を動かし、その後に胸や肩をひねると、上半身と下半身が連動して力をロスしない。一方、下半身を動かすと同時に、自分の意思と反して上半身や肩が誘導されると力が逃げてしまう。

横の動きで大切なみぞおち 盗塁のスタート、投球や打撃にも効果

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