少年野球にリーグ戦導入の動き 一発勝負、負けたら終わり、トーナメント戦の弊害とは?

参加チームが行う試合数が同一にならないデメリットも…

 トーナメントのデメリットは、参加チームが行う試合数が同一にならないことだ。トーナメントの1回戦で負けたチームは1試合しかできない。また、トーナメントは「負けると終わってしまう」ので、「一戦必勝」となる。勝ち進むと日程が立て込んで毎日のように試合をすることになり、レギュラー選手の負担が大きくなる。一方でいつもベストメンバーで戦うために、控え選手の出場機会が少なくなる。主力選手が消耗する一方で、控え選手は試合に出られない、これがトーナメント戦の最大の問題だ。

 日本野球は「一人のエースを中心とした守りの野球」だと言われるが、そうした野球のスタイルも中等学校野球に端を発する「トーナメント」から来ていると言えるだろう。

 トーナメントの高校野球からは、一世を風靡した多くのエースを生んできたが、同時に、甲子園で燃え尽きる悲運の投手もたくさん出してしまった。「一戦必勝」を求められるために、疲れていても、球数が増えていてもエースを投げさせ続けることになったからだ。

 高校野球では、一昨年から「球数制限」が大きな問題となっている。「1週間最大500球」というルールが今年のセンバツから導入される予定だが、これによって各校は複数の投手を用意するようになるだろう。また大会の日程も連戦をできるだけ避けるために余裕を持ったものになりつつある。

 しかし、大会がトーナメント形式で「一戦必勝」が前提である限り、一部投手の酷使と控え選手の出場機会の少なさは、完全には解消されない。

中学、高校ではリーグ戦導入の動き、控え選手などにも出場機会が増加

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY