ロッテの「ゴールデンイヤー」再び! Aクラス率80%を誇る千葉移転後の“5年周期”

2015年は涌井が完全復活で15勝をマークし自身3度目のタイトルを獲得

○2015年(73勝69敗1分:リーグ3位)

 先述した里崎氏の「ゴールデンイヤー」発言に加え、2005年と2010年にそれぞれ日本一に輝いた実績から、2015年のロッテの戦いぶりはファンの間では少なからず注目を集めていた。前年はリーグ4位という結果に終わっていたが、2015年は開幕から一定以上の調子を維持。シーズン終盤まで西武と熾烈な3位争いを繰り広げ、最終的には4つの貯金を作って2年ぶりのAクラス入りを果たした。

 投手陣では移籍2年目を迎えた涌井秀章投手が完全復活。前年の2014年は8勝12敗、防御率4.21とやや不本意な成績だったが、2015年は15勝9敗、防御率3.39で自身3度目の最多勝のタイトルを獲得した。前年に新人王を受賞した石川歩投手も12勝12敗、防御率3.27で2年連続の2桁勝利を挙げ、先発2枚看板としての地位を確立。また、新助っ人のイ・デウン投手も9勝を記録し、大嶺祐太投手も安定感のある投球でキャリアハイの8勝を挙げた。

 リリーフでは前年からクローザーを務めた西野勇士投手が54試合で防御率1.83と前年同様の安定感を見せ、34セーブを挙げる活躍で自らの役割を全う。セットアッパーの大谷智久投手が56試合で防御率2.39、内竜也投手が22試合で防御率1.27と安定しており、揃って防御率3点台にまとめた益田直也投手、松永昂大投手を含め、勝ち試合を締めくくる体制は堅かった。

 野手では清田育宏外野手が打率.317、15本塁打、67打点、OPS.890とキャリアハイの成績を収め、プロ3年目の田村龍弘捕手も117試合に出場して正捕手の座をつかんだ。ルイス・クルーズ内野手は二塁手としてゴールデングラブ賞を受賞し、鈴木大地内野手も序盤戦の不振で連続試合出場こそ途切れたものの、142試合に出場して打率.263、出塁率.330と、例年通り堅実にチームに貢献していた。

 だが、111試合で打率.293と前年の不振から脱却しつつあった角中勝也外野手が、9月の試合で死球によって骨折して終盤戦を棒に振り、キューバ代表としての活動と並行してシーズンを戦っていたデスパイネ選手は103試合で打率.258、18本塁打と苦しんだ。打率.287とまずまずの数字を残していた今江敏晃内野手も故障の影響で98試合の出場にとどまるなど、主力に故障者が多く発生したシーズンでもあった。

 そんな中で、荻野貴と岡田幸文氏がそれぞれ2桁盗塁を記録し、外野の一角として出場機会を分け合いながら持ち味を発揮した。同じく俊足の伊志嶺翔大氏も34試合の出場ながら打率.291、出塁率.357とチャンスメーカーとして機能し、角中離脱の穴を埋めた。ルーキーの中村奨吾内野手も1年目から111試合に出場するなど経験を積み、大ベテランの福浦和也氏も73試合で打率.272、出塁率.367と、いぶし銀の技術を見せつけた。

 クライマックスシリーズではシーズン2位の日本ハムを敵地で2勝1敗と破り、リーグ優勝を果たしたソフトバンクが待つファイナルステージに進出。再度の下克上への期待も高まったが、ファイナルステージ初戦でサヨナラ負けを喫したことを皮切りに、0勝3敗と1勝も挙げることができずに敗退。2005年、2010年に続く日本シリーズ進出はならなかった。

久々のポストシーズン進出、そして3度目の「下克上」は果たせるか

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