元楽天投手が指導「コーディネーショントレ」とは? 少年野球の子どもたちに最適

ゲームやスマホなども影響…子どもの運動能力低下と姿勢の悪さに危機感

 コーディネーショントレーニングでは、相手や物との距離感や位置を正しく把握する「定位能力」や体の複数の部位を同時にスムーズに動かす「連結能力」など7つの能力を鍛える。例えば、少年野球をしている子どもで定位能力が低いと、フライの落下地点が上手く判断できず落球したり、投球に対してバットを振る位置を合わせられず空振りが多くなったりする。トレーニングの内容が打つ、投げるといった直接的な野球の動きではないため成果が見えにくい面はあるが、様々な動きを身に付けて自分のイメージ通りに体を動かせるようになれば、パフォーマンスアップにつながる。

 土屋さんは指導する中で、子どもたちの運動能力の低下と姿勢の変化を感じている。メニューの1つで垂直跳びを取り入れると、子どもたちのジャンプ力は想像以上に低い。本来ジャンプする時は、母指球(足の裏の親指の付け根)を使って地面を蹴り上げる。ところが足裏の中心やかかと、他の指に力を入れてジャンプする子どもが多いという。

 足で地面から力をもらう動きができなければ、ジャンプ力だけではなく、走るスピードも落ちる。力強い球を投げたり強い打球を飛ばしたりするためにも、地面を蹴る動きは重要。筋力の強化や野球用具の扱い方以前に、野球の上達には体の動かし方が不可欠なのだ。土屋さんは「子どもたちは運動よりゲームの時間が増え、パソコンやスマートフォンによって姿勢が悪くなっています。運動能力が伸びる年代に、体の使い方を覚えることが将来につながります」と話す。

 土屋さんは上手くできたら子どもたちを褒め、まだ難しいと思ったメニューを課す時には「できなくても大丈夫」と声をかける。教室では子どもたちに競わせ、順位を付けるようにしている。

教室では必ず順位付け「諦めずに悔しいと感じる子どもに」

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