週末の練習だけで全国3位の少年野球チーム 強さの理由は“競争とミスの復習”
ミスを連鎖させない声かけも練習、積極的な打順入れ替えで競争
ただ、どんなに練習してもミスは起こる。そこで、斉藤監督はミスを“連鎖させない”声かけも練習で徹底している。「声の出し方も練習が必要です。日頃の習慣が大事な場面で上手くいくか失敗するかの差になると思っています」。どんな時でも周囲に目を配り、自然と声が出るように、グラウンドに入ってきた人に対しては、たとえ知らない大人だったとしても、誰もが一番にあいさつする意識を持っている。大事な場面でミスが出た時、誰かが雰囲気を変える声を出せるよう、1人で大きな声を出す練習もしている。
全国3位の要因には「チーム内競争」もある。「マクドナルド・トーナメント」の埼玉県予選からは、ある程度打順を固定したが、それまでは公式戦を含めて打順を入れ替えながら戦ってきた。チーム内でポジションや打順を競わせるのは、斉藤監督のチーム作りの柱となっている。
「子どもたちのモチベーションや自主性を生むのは“競争”だと思っています。打順が下がった選手は上位で打ちたい気持ちで必死に練習します。それを見て、私が打順を上げるという繰り返しです」
選手の起用法を決めるのは、試合の結果だけではない。指揮官が重視するのはフルスイングだ。体格の大きさにかかわらず、全ての選手に「強く、大きく」バットを振るよう伝えている。「今はバットとボールが進化して打球が飛びます。体が大きくなくても本塁打を打てます」。バットに当てにいく打者は、相手投手に怖さを感じさせない。斉藤監督は、フルスイングできる選手にチャンスを与えているという。
土日祝日に加えて平日も練習するチームが多い中、土日練習のみで全国3位に入った熊谷グリーンタウンは少年野球の可能性を示している。練習方法や指導方針しだいで選手の力を最大限に引き出せるのだ。
(間淳 / Jun Aida)
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