学ばない指導者は時代に取り残される 千賀ら育てた鷹の名コーチが米国修行で得た収穫

米国修行時は、レンジャーズ傘下の2Aと3Aでコーチ研修を受けた倉野信次さん【写真:伊藤賢汰】
米国修行時は、レンジャーズ傘下の2Aと3Aでコーチ研修を受けた倉野信次さん【写真:伊藤賢汰】

自費で単身渡米 レンジャーズ傘下のマイナーでコーチ研修

 選手はアンテナを高く保ち、新しい情報を積極的に取り入れる。一方、自分の経験と感覚だけで指導するコーチは、選手と知識の差が生まれる。選手から練習の意図を問われた時に「いいから言うことを聞け」などと、根拠を示せない“昔ながらの指導者”は居場所を失う時代になっている。

 倉野さんは8か月間、レンジャーズ傘下の2Aと3Aでコーチ研修を受けた。報酬はなく、渡航費や滞在費は自費。家族を日本に残して単身渡米した。英語にも日米の野球にも戸惑う部分はあったが、米国修行の収穫は多かった。

 あらゆるものがデータ化され、日本のはるか先を行く科学的なアプローチ。コーチは選手時代の成績が無関係で、指導のプロだった。中には、プロ経験がないコーチもいた。一方で、米国のスタイルを知ったからこそ日本の良さに気付いた面もあった。倉野さんが導いた指導の理想形は「日本と米国」「昔と今」の融合だった。

「米国が何でも日本より優れているわけではありません。また、日本人や日本のスタイルには米国式が合わない部分もあると感じました。お互いの良さ、さらには昔と今、それぞれの良さを融合させたいと思っています」

米国で知った日米の良さ 大切なのは練習の狙いと取捨選択

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