「70登板という時代ではない」難しい中継ぎ投手の評価…検討される“準備の査定”
オリックスが救援陣の査定方法を“再検討”
時代の変化に沿って、査定ポイントの見直しを図る。オリックスは28日、大阪・舞洲の球団施設で8選手と契約更改交渉を行った。全選手がサインし、この日の交渉は終了となったが、久保充広球団本部管理部長は「(評価方法を)改善すべき点はありますし(変化が)全くゼロではない。査定ポイントの見直しを近年やっている」と明かした。
発端は、交渉の席で漆原大晟投手が「中継ぎ陣の査定の説明を再度お願い」したことだった。漆原は今季16試合に登板して防御率3.00の成績を残した。4、5月の登板では12試合連続無失点を記録するなど、3連覇に向けて突き進んだ春先に奮闘。いつ出番が来てもおかしくない救援陣の査定ポイントの説明をお願いした。
久保管理部長は「表に出ない部分の評価基準ですね。お互いが納得できる良い話し合いができました」と明かすと、「彼の場合は目に見えないところがある。(試合)前半から準備して登板する、しないがある」と長時間に渡って集中力を高める起用法も評価ポイントに入っていることを示唆した。
中嶋監督が投手陣の負担などを考慮する采配を行っているため、今季レギュラーシーズンで3連投した投手はいない。試合数が重ねられないシステムであることを久保管理部長も理解しており「近年、70試合(登板)という時代ではない。(時代の)流れに沿った形で査定ポイントを考えている」と念を押した。
漆原は提示された金額(推定1450万円)に疑問はなく、後輩投手らのためにも評価基準を改めて確認したかった。そのため、久保管理部長は「(最初から)提示した額で彼は納得してくれた。来年、再来年、将来的にポイントの見直しをしていくと伝えました」と笑顔で振り返った。選手は試合に出ている時間だけが全てではない。3連覇を成し遂げたオリックスが、4連覇に向けてナインのモチベーションを向上させていく。
(真柴健 / Ken Mashiba)